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同好会式交流

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同好会式交流
~共感への楔~

「同好会式交流」とは、性差や年齢、損得や利害で集うのではなく、垣根を外して「好きなら集まろう」という概念です。男性でもフラダンスがやりたければ肯定しましょうということが同好会式です。昔の概念なら「男性がフラダンスは気持ち悪い」と否定的な見方をされていましたが、今は「好きならば、ようこそ」の時代に変ってきました。個人が自分らしさを表現したいと思う今は、色々な興味に応えるテーマを用意しておかなければなりません。しかし長年に渡り流通業界では提供者の都合で“量”を追いかけるビジネスを続けてきました。どこも同じように流行商品を並べているという方式で、結果的に商品が売れなくなってしまいました。それは「好きだから、楽しいから」というきっかけを提供してこなかった結果なのです。今後は顧客が徹底的に集まるテーマウィークを設けるなど、新しい価値への投資が必要になります。同好会式というのはテーマ方式であり、そのテーマも毎回同じではなくスパイラルして昇華させていくなど変化をつけて毎回参加させる工夫が大切になります。顧客の量を求めるのではなく、「そのことが好き」な顧客を少数でも広域から集める時代なのです。顧客を集めるためには「好き」「興味がある」「楽しそう」「参加してみたい」「学びたい」ということをテーマにしてコトを再編することです。つまり今後はクラブ活動のような施策こそが必要になるということです。老若男女、性差を問わない集客を目指した場を提供しましょう。「同好会式」は色々な部活を生み出す源泉です。

 
 
 
【POINT】
「同好会」を「コミュニティ」と考えればわかりやすいでしょう。
社会学的に「コミュニティ」といえば、“地域や血縁で自然的に集団を築くこと”とあります。しかしそれは今、地域や血縁をまたぎ、小さな「スキ同士の集まり」として様々な所で “非自然的に” 築かれるようになっています。「スキ同士」というのは行動のポテンシャルとしてとても強く、参加するためならば地域や時間を問わないこともありえます。例えば、サーフィンのコミュニティを考えても早朝・遠方のハードルを超えて参加するでしょう。そこには「スキ同士で集まりたい」という気持ちが働いているからです。
今号の主旨は、「コミュニティはマーケティングに活用できるか?」。先に“非自然的に”と述べました。地域や血縁と違い、「スキ同士の集まり」は誰かが自らコミュニティの場をおこしたということです。それを個人ではなく、企業や店舗が担うと、どういうメリットがあるのでしょうか。実例を混じえてご説明します。

サッポロビール、ファンと共同開発したビール「百人のキセキ」限定販売

サッポロビール(株)は、お客様とFacebook上で共同開発した「サッポロ 百人のキセキ 魅惑の黄金エール」を2015年5月19日から全国の主要なコンビニエンスストアで、数量限定で発売しました。
http://www.sapporobeer.jp/news_release/0000020547/
サッポロはビールの愛好家17000人を集めた「百人ビール・ラボ」というコミュニティを持っています。活動はソーシャル上がメインですが、なんと週に一度オンラインミーティングを開き、そこに人々を集めるという精力的な活動をしています。

資生堂のマーケティング戦略の中に、コミュニティあり

大手化粧品メーカーの資生堂は1年半前に自社コミュニティ「SHISEIDO おめかし会議」を立ち上げ、顧客の声を集めながら、資生堂ファンのロイヤルティを高めることに成功しています。
http://diamond.jp/articles/-/80483
資生堂はメイクや美容について感心の高い人同士が語り合う場を提供しました。その声をマーケティング活動に活かすとともに、「コミュニティこそが長期的なファンを作る」と活動に将来性を見出しています。

「オトナ女子」がハマる“部活”って?雑誌『DRESS』が提案する新しいライフスタイル

コミュニティを通して、人との出会い、そして夢中になれるものとの結びつきを創出しているのが、雑誌『DRESS』です。 アラフォー女子たちが趣味を通じて仲間とつながる『DRESS部活』を創刊後すぐに立ち上げ、現在は全国で23の部活に1万8000人が加入するまでに広がりをみせています。
http://qreators.jp/content/213
光文社の「DRESS」はシングルのアラフォー女性達がリアルに集い、いきいきとした場所を提供する「DRESS部活」を運営しています。光文社は場を提供しましたが、部活の企画や運営は参加者自らが行っています。同社はこうした情報や参加者の声を雑誌の編集に活かすという取り組みをしてきました。(同誌は2015年11月にWEBメディアに転換。DRESS部活は継続)

商品開発、マーケティング活動、ファン同士のロイヤリティーを高める・・・このように「同好会」や「コミュニティ」は企業にとって大切なマーケティングツールとして活用されています。他にもマクドナルド・森永乳業など様々な企業にコミュニティは存在し、大きな役割を担っています。これらは大企業の例ですが、多くの中小企業や店舗にとってもメリットは同じです。大企業はその規模ゆえにコミュニティがソーシャルに偏りがちですが、中小企業や店舗ならリアルに接点を持つことができ、よりスピーディで密接なマーケティングが可能になります。
「スキ同志の集まり」は何も企業の商品と深い関係になくても構いません。店舗やショッピングセンターなら、地域の人々やママ同志を集めてレクリエーション的な会を設けてもいいでしょう。
大切なことは、「何らかの場」を用意することで、人々が「スキ同志の場」としてあなたの企業や店舗に腰を据えてもらうことができるという点です。集まってくれれば、自然と商品を目にする機会や増え、購入に至ったり、企業活動のヒントを貰えるでしょう。
「スキ同志の場」を活発化させ、お客様と企業の双方の利益に活かしていきましょう。それが「同好会式交流」の考え方です。

【参考事例ピックアップ】
趣味のクロスジェンダー化
習い事として女性向けのイメージが強かったバレエ、ヨガ、フラなどの分野に、おじさんたちが続々と進出している。13年に設立したあるフラ教室では、約80人の受講者のうち20~80代の男性が約4割を占めている。乙女おじさんの増加要因として、SNSなどで同好の士を発見することで安心感が生まれ、威勢の趣味として認識されていた趣味にも飛び込みやすくなったことがあげられ、これから乙女おじさんたちを目にする機会も増えることが予測される。(出典/日経MJ 2月1日)

「アート」を強く打ち出し、売り場にいる楽しさ演出 株式会社そごう・西武
「西武渋谷店」が昨年8月の改装以来、増収を続けている。同店がテーマにする「アート」を強く打ち出し、店に来る楽しさを演出。ファッション同様にアートの新しさにも着目する顧客を引き付けている。ギャラリーに足を運んだような楽しさが来店客の支持を集め、客数が増加。こうした共感を呼ぶ売り場づくりのほか、話題性の高い品ぞろえに力を入れることで、SNSの拡散を通じ20代の若年層の顧客獲得にも弾みがついている。
(出典/日経MJ 2月17日)

伊豆・長泉に「漫画8000冊」のシェアマンション 加和太建設株式会社
JR御殿場駅土狩駅から徒歩7分の立地に、かつて企業の独身寮だった地上5階建てのマンションをリノベーションさせたシェアマンションが完成した。以前食堂だった2階フロアに読書スペースを設け、約9,000冊の本を収蔵。内訳は1,000冊の小説やエッセーと8,000冊の少年・青年コミック。漫画や本が好きな人など、同じ趣味の人たちがコミュニケーションをするのを目的にしており、家賃は39,000円~75,000円の設定。(出典/伊豆経済新聞 3月1日)

きょうもどこかでオトナサークル Meetup
世界で約2,400万人が利用するオンラインサービス「Meetup」の利用者が日本でも増加している。語学交流やスポーツなど共通の趣味や関心をもつグループを見つけ、一緒に楽しむオトナサークル活動で、日本在住の外国人の間でも友達作りの重要なツールとなっている。日本での利用者は現在およそ13万人、月に5,000人ペースで増えている。6割が東京での利用だが、他エリアでも増えてきており、国内ですでに2,100以上のグループができている。(出典/日経MJ 2月3日)

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