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【カオスの時代の未来学 2/3】株式会社スペースマーケット 代表取締役 重松 大輔氏インタビュー「非稼働の時間をなくし スペースに価値を見出す」

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スペースの空き時間を稼働させる「スペースマーケット」代表取締役、そして2 0 1 6 年1月に発足した「シェアリングエコノミー協会」代表理事を務める重松氏。業界全体の現状やこれからの展望について伺った。

                                                    
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シェアリングエコノミー日本と海外の現状とは

―事業を始めたきっかけは何ですか。
3年程前に起業を考え始めた頃、夜は日本料理屋なのに昼はパキスタン人のコックがカレーを作っているお店がありまして、その二面性に興味を持ちました。同じ場所なのに、時間によって全く違う使われ方をしていたんです。また、当時ウェディング関連の事業をやっていた際も、式場は平日になかなか稼働しないという課題を抱えてました。ちょうど海外では「シェアリングエコノミー」という言葉がトレンドとなっていましたし、場所の非稼働を活かすことで、貸す側も借りる側も皆が幸せになれるビジネスを考えついたのです。

―日本では徐々にシェアリングエコノミーに注目が集まってきていますね。海外の現状はどうでしょうか。
驚くべき速さで広まっています。代表的な宿泊マッチングサービスであるAirbnbは今や190カ国3万4000以上の都市に広まっていますし、利用者は6000万人を上回っているそうです。2020年には売上が1兆円になると見込まれています。他にも、配車サービスであるUberもすごいですね。海外ではUberなしでは移動が難しい地域もあるほどです。ジャカルタは車社会なんですが、「オジェック」というUberのバイク版とも言える、バイクタクシーが成長しています。その増加数は1日数百台とされ、大きな注目を集めています。

素人がプロ化し、個人が台頭する新しいビジネス

―シェアリングエコノミー事業では、何が一番問題と考えられていますか。
C to Cのビジネスなので悪質な個人が現れることはありますね。しかし、時間がたってレビューが機能したり、ノウハウがたまってきたりすることで、やりとりの段階からだんだん相手を見極めることができるようになります。消費者同士の取引となり、ホスト名やレビューには実名が反映されるので、お互いに良い緊張感を持って接するようになるのです。スペースマーケットでは空き家から野球場、お化け屋敷まで多彩なスペースを貸し出していますが、特に個人が持つ古民家が人気なんです。中には古民家の貸し出しで、多い月に30万円程稼ぐ方もいらっしゃいます。最初は気軽に始めたことが、レビューという仕組みに刺激を受け、力を注ぐことで、気付いたら立派なプロになっているのです。

―既存の企業と新しく参入したシェアリングエコノミーサービス間での問題はありますか。
Uberの出現で、サンフランシスコ最大のタクシー企業「イエローキャブ」が倒産に追い込まれたように、客の奪い合いが発生する側面はあるかもしれません。しかし一方で、その業種のマーケットが拡大するという良い側面もあります。例えばサンフランシスコではUberの出現により、100億ドル程のマーケットだったのが400億ドル程まで拡大したそうです。安くて便利なサービスの登場は、人々の利用頻度を上げ、タクシーという移動手段への心理的ハードルを低くしました。これは業界にとっては追い風とも捉えることができます。

日本の社会課題を解決する様々な可能性とは

―シェアリングエコノミー協会の代表取締役でもいらっしゃいますね。今後目指していく方向性について伺えますか。
業界全体を盛り上げ、シェアリングエコノミーの認知度を上げていきたいです。そして協会内で、評価の仕組みや個人認証の仕方、トラブル対応といったお互いのノウハウを共有することで、より良質なコミュニティを作っていければと思います。長い目で見ると、今後レビューは相互連携されていくでしょう。異なるシェアリングエコノミーを利用しても、ユーザーの使用スキルはきっと変わらないと思うんです。

―シェアリングエコノミーが、日本の社会課題を解決することもありえるでしょうか。
地方に人を流す糸口になるのではないでしょうか。スキルシェアのプラットフォームがあれば、エンジニアやライターとして場所を問わない働き方が実現します。また、地方の飲み屋で飲んだら、飲み屋のおじさんが家まで送って行ってくれたりすることがありますよね。こういった見えない中で行われていることを、お金に変わるビジネスにすることで、働き口を生みだすこともできると思います。また高齢化社会の課題である「介護」でもシェアリングエコノミーが解決できる部分は多くあるのではないでしょうか。

―商業施設のビジネスにおいて、シェアリングエコノミーという新しい視点から見たアイディアはありますか。
テナントの事情で一時的に場所が空くとき、ポップアップストアの導入や、テストマーケティング目的の企業の出店などを実施してみてはいかがでしょう。もっと「空き」を有効に活用していくべきだと思います。新しいチャレンジは色んな化学反応を生むはずです。わたしも日本中のおもしろいスペースを活かしていきたいので、商業施設が持つ「スペース」の魅力には注目しています。

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スペースマーケットのオフィスも実際にスペースとして空き時間に貸し出され、他企業のミーティングの場として利用されている。

Pick up the project
カフェを貸切り!1日店長を体験
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料理好きなユーザーが、営業時間外のカフェをキッチンごと貸切り。友人を招いて自慢の魚料理を振舞った。

設備を活用したコンテスト開催
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上映がない午前中の映画館を貸切って、ピッチコンテストを開催。映画館は設備が整っており、一般企業の人気も高い。

古民家を使って社内合宿
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畳の上で会社の目標などを再確認・共有する合宿を実施。非日常空間でのアイディア出しは集中力も高まったそう。

廃校小学校で運動会を開催!
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廃校となった小学校で、保育園の先生による運動会を開催。もともと持つスペースの魅力を活かした事例。

重松 大輔(しげまつ だいすけ)

株式会社スペースマーケット 代表取締役

2000年NTT東日本入社後、2006年、株式会社フォトクリエイトに参画。2014年1月、株式会社スペースマーケットを創業。「ユニークなスペースを簡単にネットで1時間単位から貸し借りできる」をコンセプトに、空きスペースと利用したい人をマッチングするWEBサービスを運営。

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